2014年9月24日水曜日

CFD販売 CSSD-M2E256HLMEQ(PCIe SSD)

CFD販売からM.2 PCIe接続のSSDの販売が始まりました。
この製品の256GBモデル(CSSD-M2E256HLMEQ)を購入したので、今回のこの製品のついて簡単にレポートしたいと思います。

CSSD-M2E256HLMEQは、現状では数少ないM.2のPCIe接続のSSDとして設計されている点が特徴です。サポートしている制御インターフェースは「AHCI」のみで、PCIe 2.0 x2接続。採用コントローラーは、Marvellの88SS9183。NANDメモリは、東芝の「TH58TEG8DDJBA8C」 。外部メモリは、Micron製の512MB(4Gbit)のDDR3-DRAMが搭載されていました。

NANDメモリは、現在主流のA19品ではなく、その前の世代のもののようです。東芝の命名ルールで読みとくと、TH58の次の「T」がToggle DDRであることを示しており、Tの次の「E」は電圧。Eの次の「G8」が容量で256Gbit(32GB)、G8の次の「D」がMLC(TLCなら「T」となる)、Dの次の「D」がページサイズとブロックサイズ、Dの次の「J」がデザインルールで19n世代を示しています。ちなみにA19世代の場合は、ここが「K」となるようで、15nm世代になるとたぶん、ここが「L」になるのではないかと推測されます。

ちなみに、本製品は、開発元が伏せられているだけでなく、InquriyもCFD独自型番に変更されており、現状ではどこが開発製造したものかわかりません。Marvell製コントローラーや東芝製NANDメモリの採用など、採用されている部品はPlextor M6eに酷似しており、Liteon(PLDS)のOEM向け製品と考えるのが妥当なところだとは思いますが、基板は明らかに別物です。



また、PX-M6eには、OS起動用のOROMが搭載されていましたが、本製品は、SAMSUNG XP941同様にOROM非搭載の製品として設計されています。加えて、性能面でのチューニングも異なるようです。

2014/10/23追記
当初、本製品はOROM非搭載としていましたが、OROMが搭載されていることを確認しました。起動画面にOROMが表示されない仕様となっているため、 勘違いしてしまいました。お詫びして訂正いたします。

実際にベンチマーク結果をみる限り、ほぼ同一スペックのPlextor M6eと比較して、本製品は全般的に遅めです。Crystal Disk Markの結果では、ランダム4KBのQD1のライトは、ほぼ同程度ですが、QD32では100MB/s以上も遅く、シーケンシャルリードライトともに遅めです。なお、CFD販売のホームページでは、本製品の512GBモデルのベンチマーク結果が掲載されています。それによると、容量が増えることで、シーケンシャルライト性能が若干向上しています。


TxBENCHの結果も同じような傾向がでています。128KB(QD32)のシーケンシャルリードは、差がほとんどなくなりましたが、シーケンシャルライトとランダム4KB(QD32)のライトは100MB/sほど遅いという結果です。唯一速かったのが、ランダム128KB(QD1)の読み出しのみで、これは、Crystal Disk Markのランダム512KBの傾向と同じとみてよいでしょう。



本製品は、ほぼ同スペックのPlextor PX-AG256M6e(PX-G256M6e)よりも数千円ほど安価な価格で販売されています。しかし、性能面では、PX-AG256M6eに若干劣っています。購入する場合は、このあたりの違いをしっかりと検討されることをオススメしたいと思います。

2014年9月15日月曜日

DEVSLP(Device Sleep)機能とは

2013年以降に登場したSATA接続のSSDは、フォームファクターに関係なく、SATA Rev3.2で規定された省電力機能「Device Sleep(通称、DEVSLP)」に対応した製品が一般的です。この機能は、待機時のSSDの消費電力をほぼ「0W」にする機能として知られています。しかし、ネット上の書き込みだけでなく、PC誌やネットメディアのライターさんの記事をみていると、この機能について若干誤解されている方が多いように見受けられます。そこで、今回は、DEVSLPについて、少し突っ込んだ説明をしたいと思います。

DEVSLPとは、前述したとおりSATAの省電力機能の1つです。SATAには、「LPM(Link Power Management)」という省電力機能も用意されており、この機能では、PHYを低消費電力状態にすることで消費電力を削減していました。DEVSLPでは、これを一歩進めPHYの電源をオフにすることで消費電力を削減しています。

また、DEVSLPは、SATA LPMによる省電力状態を経て移行します。その際、SATA LPMのSlumber状態を経ることが義務付けられているようで、「Auto Partial to Slumber」という機能が新たに規定されています。PartialからSlumberへの状態移行は、通常、COMWAKEを利用して、一旦通常状態に復帰し、その後Slumberへと移行します。この機能は、おそらく、COMWAKEを利用することなく、自動的にSlumber状態へと移行する機能だと推測されます。

なお、SSDの中には、DIPMのみに対応し、いきなりSlumberに入るような製品もあります。このような製品では、DEVSLPに対応していても、Auto Partial to Slumber機能に非対応となっている場合があります。また、ドライブの初期値では、DEVSLPの機能が「オフ」になっています。DEVSLPを利用するには、ATAコマンドをドライブに送ってこの機能をオンにする必要があります。DEVSLPの有効化は、通常、OS起動時に自動的に行われます。

DEVSLPで注意しなければならないのが、復帰の方法です。SATA LPMでは、PHYが省電力状態に移行しているだけなので、PHYを利用して省電力状態から復帰を行っていました。しかし、DEVSLPでは、PHYの電源がオフになっているため、SATA LPMと同じ手法で復帰することができません。そこで、DEVSLPでは、復帰を行うための別の信号線を準備しています。SSD向けのコントローラーは、リビジョンアップでこの信号線に対応した製品が多く、同じ型番のコントローラーを利用しているからといって、DEVSLPの復帰用の信号線に対応しているとは限りません。

たとえば、SandforceのSF-2281は、当初DEVSLPに対応していませんでしたが、Intel SSD 530などに搭載されているSF-2281は、リビジョンアップ版となっており、DEVSLPに対応したコントローラーが採用されています。また、TOSHIBAのHG5も同様です。HG5は、DEVSLP非対応ですが、コントローラーを改良したHG5dは、DEVSLP対応品となっています。

また、DEVSLPの復帰に利用される信号線は、ドライブの「電源ピン(P3で3.3Vの電源ピン)」に接続されています。このため、2.5インチ形状のSSDを利用する限り、自作PCでは、まずこの機能を利用することはできません。2.5インチ形状のSSDでDEVSLPが利用できるのは、メーカー製PCに限定され、通常、ノートPCのみだと思って間違いないでしょう。

M.2(SATA接続)とmSATAの場合は、Intel 8シリーズチップセットを搭載したノートPCならDEVSLPを利用できると推測されます。自作用のマザーボードに搭載されたM.2スロットやmSATAスロットの場合は、DEVSLPの信号線が結線されていれば利用できると思いますが、現状、それを確かめるすべはありません。

冒頭でDEVSLPを誤解していると書いたのは、上記の理由からです。2.5インチ形状のSSDでDEVSLPを利用できる環境は限定されており、そもそも自作PCでは、基本的にDEVSLPを利用することはできません。しかも、メーカー製のノートPCにおいても、DEVSLPを利用可能な環境だからといって、必ず、DEVSLPの機能が有効になっているという保証もありません。東芝製のノートPCでは、InstantGOに対応していなくても、DEVSLPが有効になっているという話は聞いたことがありますが、実のところ実物を僕は見たことがありません。

ネット上の書き込み等をみる限り、DEVSLP対応SSDであれば、待機時の消費電力が常に低くなる勘違いしている方が多くいらっしゃるようです。しかし、この機能は、意図的にオンすることによって初めて機能します。ドライブが対応しているだけでは、何の役にも立ちません。DEVSLPの機能がオンになっているかどうかは、TxBENCHで確認できます。対応SSDを利用されている方は、DEVSLPが有効になっているかどうか一度チェックされてみてはいかがでしょうか。