2010年7月23日金曜日

eSATAとUSB3.0

最近、放置プレー気味で申し訳ございません。
さて、今回は、特に意味はありませんが、eSATAとUSB3.0のお話でもしてみようと思います。

これは、僕の個人的な好き嫌いの部分なのですが、正直、僕は、USBはあまり好きではありません。今でこそ、USBを使っていますが、その昔は、IEEE1394をメインに使っておりました。理由は、IEEE1394の方が、バスとして優れており、便利なSCSIとして使用できたからです。特にIEEE1394の無駄に高機能なところがなんともいえませんでした(笑)。

さて僕の好き嫌いの話はおいておいて、本題ですが、最大5GbpsのUSB3.0が登場して、僕もUSB3.0ケースなどをチェックする機会が増えました。何製品か、どのぐらい速度がでるかをチェックしてみましたが、現状の製品は、いずれも200MB/secほどでサチってしまうようです。参考までに東芝のHG2をセンチュリーのガチャポンパというUSB3.0+eSATAクレードルを使って、USB3.0で使用した場合のベンチ結果を載せておきます。


SATA接続の機器をUSB3.0で使用する場合、SATAからUSBへとプロトコル変換をしなければならないわけですが、これを処理する変換チップの処理速度が足りないのが原因だと思います。第一世代ですでに200MB/secもでているという考え方もあるかもしれませんが、せっかくですから、SATA Rev2.6の300MB/secぐらいでてくれると便利なのにというのが僕の本音です。HDDは、SSDほど高速な製品は登場していませんので特に問題はありませんが、SSDをUSB3.0で使う場合は、200MB/secでサチるので注意してください。

ということで、現状、ストレージを外付けで使用してかつ速度を求めるならeSATAのほうがよいと思います。デスクトップでは、eSATA用にMarvellやJmicronなどの外付けチップを搭載することが一般的ですが、IntelのICH/PCHは、ICH8M、つまり、ICH9世代からeSATAにも対応しています。Intelチップ搭載のノートパソコンでは、eSATA(Power eSATA含む)ポートをICH./PCHからとっている可能性も十分あるので、興味があるかたはチェックしてみると良いかもしれません。

また、eSATA対応の機器(外付けケースやクレードル)は、SATAの信号をほぼそのまま引きずり出したような機器が多いようで、SATA Gen3対応機器をGen3対応ポートに接続するとちゃんと600MB/secの速度でリンクアップする点もGoodです。600MB/secの速度でのリンクアップは、センチュリーのガチャポンパという製品のUSB3.0+eSATA対応の外付けクレードルに最新のVeloci Raptor(SATA Gen3対応)を接続し、マザーボードのSATA Gen3ポート(Marvell)で確認しました。

eSATAは、SATAそのものなので、本来、速度的には一番優れているのになぜかいまいち普及していないような気がします。eSATAならOS起動にも使えるし、ホットプラグで使用できるので結構便利なのですが・・・。やっぱり、電源供給可能なPower eSATA策定時にコネクタ形状でもめて(特許があるのでかなりもめたみたいです)リリースが遅れてしまい、USB3.0の登場よりもちょっとだけ速い登場というのが最後まで足をひっぱる結果となりそうな感じです。

eSATAに関しては、いぜん、某社の方にこんなことを言われたことがあります。「Power eSATAも1年遅かったよね・・・。もう一年早くだせていたら・・・」と。

ちなみに、個人的には、eSATAを応援しております。

2010年7月17日土曜日

BDXLはどうなのか

本日、BDXL対応のレコーダの発表がありました。
アクセス解析をみていたら、以前書いたBDXLの記事へのアクセスが多少増えているようなので、実際の製品が発表されたということで、BDXLに対して僕が思っていることをもう少し書きたいと思います。

まず、ディスクの価格からです。僕は、前回の記事でBDXLの記録メディアはかなり高くなると予想しましたが、実際の予価も大体想像通りのものでした。その価格は、3層(TL)ディスクで5000円という、HDDなら1TBクラスが購入できる価格です。僕は、前回の記事で価格までは書きませんでしたが、大体このぐらいの価格ではないかと想像しておりました。根拠は、従来のDLディスクのスタート価格がこのぐらいだったからです。これをベースに考えると、僕の予想では、4層ディスクを今の時点で発売すると1万円前後のスタート価格になると思います。(1万円で済めば良いですが、それを超えた価格でも僕は特に驚きません。)

というのも、BDのように順積みの積層で作るディスクの歩留まりは、記録層を重ねるごとに悪くなっていくからです。ちょっと乱暴な説明ですが、1記録層あたりの歩留まりが95%だと仮定すると、単純計算でシングルレイヤーなら100枚製造して95枚が良品ということになります。ですが、2層ディスクでは、この95枚の良品の中からしか取れません。このような感じで、記録層が増えるごとにどんどん不良品が増加していくのです。

加えて、BDXLのディスクは、記録層と記録層のスペーサー層がTLの場合で2つ、4層では3つ必要になるため、これがディスク製造の歩留まりに影響を与えると思います。というのも、DLでは、スペーサー層は1つでしかも厚みは固定(といっても多少のばらつきは認められていますが)でしたが、3層のTLや4層では、DLのように固定のバラツキというわけにはいきません。前回も説明しましたが、ここを固定にすると記録再生中のターゲット層以外の層で反射したレーザー光が迷走して、記録再生に影響を与えるためです。

具体的にどのような影響がでるかというと、記録中の物理アドレスが読めなくなり、記録の失敗が発生する。再生が途中で止まるなどの現象が考えられます。この問題を解決するために、BDXLでは、おそらく、DLディスク以上にスペーサー層の厚みに厳しい制限が加えられていると思います。この制限が、ディスク製造における難易度を高めていると個人的には想像しております。

ちなみに、記録層の膜厚ムラですが、BDXLの場合、おそらく、記録材料は無機膜のみに限定されている思いますので、その影響はそれほど大きくないのではないかと思います。理由は、無機膜のディスクの製造は、スパッタリング装置で行うことになり、膜厚ムラは、基本的にスパッタリング装置の精度で決まるからです。規格は、スパッタリング装置の精度を加味して作られているはずなので、現状の装置なら対応できるレベルに収められていると想像できるというわけです。

次にドライブの価格ですが、これも前回説明したように、おそらくそれほど高くはならないと思います。理由は、いくつかありますが、1つには、現状のBDドライブが、すでに球面収差補正とチルト補正機能の両方を搭載している可能性が高いからです。

というのもBDXLと従来のBD規格を比較した場合の機構的な部分での最大の違いは、前回も説明した信号処理の部分と収差補正機構にあると思うからです。従来のBD規格は、球面収差補正は必須でしたが、チルト補正は必須ではありませんでした。ですが、BDXLでは、両方の収差補正の搭載が必須となっていると思います。ただ、現在のBDドライブは、前述したように球面収差/チルト補正の両方に対応しているドライブがかなり多いはずなので、すでに機構的な要件を満たしている可能性が高いといえます。このため、無いものは、信号処理の部分(LSI)ということになり、ドライブの物理的な価格はそれほど高くないというわけです。

最後にBDXLで個人的に注目しているのは、再生光劣化の問題です。
不安を煽るようですが、BD(正しくは、HD DVDもでしたが)では、再生光劣化が発生する可能性があります。気づいている方もいるのではないかと思いますが、BD世代になってからディスクに再生回数xxxxx回を保証とか書かれていることがあります。その理由は、再生光劣化が発生する可能性があるからです。特に色素系ディスクでは、当初、この問題をクリアするために結構苦労したようで、高速化のときにも業界の集まりで笑い話にしかならないような質問があったようです。いわく「そのディスクは、どのぐらいの回数の再生ができますか」と。

BDXLの記録ディスクは、無機膜だと思いますが、無機膜は、基本、熱に反応します。記録層が増加しているということは、L0層の再生出力もそれだけ高くなっていると思いますので、記録しやすくするために下手に反応速度をあげると、再生光劣化がでてもおかしくありません。また、記録時にも記録中以外の層にも熱が伝わりますので、それによって、クロスライトやクロスイレースなどの問題が発生する可能性も高くなります。

個人的には、BDXLを使用することはほとんどないと思いますが、長期保存等を考えるのであれば、シングルレイヤーの無機膜の従来ディスクを使用するのが個人的にはよいと思います。
ネタ的にいえば、どこかの安価にディスクを製造するメーカーが、再生光劣化を起こすようなディスクを安価に市場投入すると多少は盛り上がるかもしれませんが・・・。

2010年7月4日日曜日

Jmicron製コントローラでみるファームウェアとNANDメモリ

少々時間が空いてしまいました。
今回は、以前に予告していたKingston製SSDのバリューラインのSSDで採用されている東芝マーキングのJM61xコントローラと東芝製のNANDメモリを採用した製品(SNV425-S2/64GBまたは128GB)についてレポートしたいと思います。

まず、この製品ですが、チップのマーキングは東芝ですが、JM612またはそのカスタム品(JMF618?)が採用されていることは間違いないと思います。これは、色々なベンチマークを動かしてみるとJMF612を採用したCSSD-SM128WJ2/WJ3とよく似た挙動を示すことがあるからです。ただし、ファームウェアの違いなのか、それともチップ自体も部分的にカスタムされているためなのかはわかりませんが、CSSD-SM128WJ2/WJ3とは良い意味で異なる挙動を示す部分もあります。その一例が、SecureErase後のHD Tuneのシーケンシャルライトの結果です。


この結果をみれば、一目瞭然ですが、Kingstonの製品は、全域をほぼ一直線で記録できていますが、CSSD-SM128WJ2/WJ3は、それができていません。WJ2は、スタートから30%ほどはそれなりの速度で記録できていますが、そこを過ぎると急激に速度が不安定になり、かなり上下にブレます。WJ3は、さらにひどく、25%ぐらいまで記録が進むとそこから先は急激に記録速度が低下し、最終的には10MB/sec前後ぐらいのところで安定しています。WJ3の途中からの速度は、現在のSSDとしては遅すぎというスコア以外の何者でもありません。

次にKingstonのCrystal Disk Mark3.0の結果も載せておきます。同じ東芝製のNANDメモリを搭載したWJ2と比較すると、Kingstonは、リード性能こそほぼ同等ですが、シーケンシャルライトと512KBのランダムライトは、WJ2よりも遅めという感じで、4KBのランダムライトは、Kingstonが微妙に速いという感じです。


このように、Kingstonの製品は、JMF61xベースのコントローラを採用しているにもかかわらず、WJ2/WJ3とは良い意味で異なった挙動を示します。いずれにしても、基本設計は、ほぼ同じと思われるコントローラでもこれだけの挙動の差がでるというところが非常に興味深いところです。 この差が、コントローラとファームウェアの両方によってもたらされたものなのかそれともファームウェアの違いが大部分を占めるのが興味があるところです。

最後に、Kingstonの製品で、Trimの効果があるかどうかをチェックしてみたので、その結果も掲載しておきます。テスト方法は、IntelやReal SSD C300などをチェックしたときと同じ手順です。記録容量の約90%まで記録と削除と繰り返しながら、データを記録して強制的に劣化状態を作り出してチェックを行っています。


Trimの効果の結果ですが、ご覧の通り、劣化状態とTrim有効の状態ですべてのファイルを削除した場合でほとんど同じグラフになりました。これから想像できることは、この製品は、少なくともIntelのX25 MのようなTrimの使い方をしていないということです。

なお、128GBの容量のWJ2/WJ3でも以前、Trimの効果をみようと記録容量90%まで記録と削除を繰り返したことがあります。そのときWJ2/WJ3は、異様に長い書き込み時間を必要としたことも追記しておきます。その時間は、なんと約13時間で、東芝のHG2やSamsung、IndilinxのBarefootを採用した同容量のSSDならの2時間強で終了するところを約6倍もの時間がかかりました。Kingstonの場合は、128GBの製品で3時間強でしたので、前述の東芝のHG2などと比較すると少々時間がかかっていますが、WJ2/WJ3ほどひどくはありません。JMF61xのコントローラを採用したSSDを購入するなら、Kingstonの製品を購入されることを強くオススメしておきます。

というか、個人的な感想を言わせてもらうとWJ2/WJ3は、プチフリする可能性があるので購入しない方がよろしいかと思います。というのも、この記事のIOMeterの結果をみてもらうと僕がこのように言うことが解るかと思います。

この記事では、バッファローのSHD-NSUH128Gという製品を検証していますが、この製品は、WJ2/WJ3とほぼ同等の製品です(CFD販売はバッファローの子会社です)。この製品のIOMeterの結果をよく見るとMAX Write Response Timeがすごいことになっています。16KBのQD32の結果は、なんと「10515.04ms」、つまり、10秒を超えています。他の4KBとか64KBなどでも、軒並み数秒単位のMAX Write Response Timeが測定されています。

先程、Trimテスト用の劣化状態を作り出すときにWJ2/WJ3で他社の6倍ぐらいぐらいの時間がかかったと書きましたが、数秒単位のレイテンシが、ほぼ同じ製品と思われるSHD-NSUH128Gで発生しているということを考えると、納得できます。