2010年6月26日土曜日

Crucial Real SSD C300の64GB版

もう発売が始まっているようですが、現在、唯一のSATA 6G対応SSD、Crucial Real SSD C300の64GB版が登場しました。この製品は、僕もまだ使用していないのですが、安価ということもあり興味をもっています。というのも、この製品は、記録容量によって書き込み速度がすべて異なっているからです。

Real SSDの最上位の256GB版は、公称ライト速度が215MB/secですが、128GB版は、140MB/sec、64GB版ではなんと「70MB/sec」と読み出し速度はそのままで書き込み速度のみがどんどん低下しています。これまでも、記録容量の違いで書き込み速度が異なる製品は、販売されていました。たとえば、Indilinxのコントローラを搭載した製品がそうですし、SamsungのSSDもそうです。ただ、両者は、256GB/128GBとそれ以下で速度が別れており、Real SSDのように記録容量毎によって、すべての製品の書き込み速度が異なることはありませんでした。僕が興味をもっているのは、まさにこの点です。

これは、あくまで僕の想像ですが、今回の64GB版のReal SSD C300は、NANDメモリが8個しか搭載されていないのではないかと思っています。 つまり中身は、32GbitのNANDメモリのダイを2個積層したパッケージが8個搭載されており、64GBの容量を構成していると考えています。

理由は、Real SSD C300の64GB版の書き込み速度が、70MB/secにとどまっているからです。というのも、NANDメモリパッケージを16個実装しているなら、16パッケージを同時に書き込めばよいので、チップ当たり8MB/secの速度しか出なくても130MB/sec弱の速度がだせます。しかし、本製品では、そこまでの速度がでていません。つまり、Real SSD C300の64GB版の並列アクセス数は8chと考えられるというわけです。自然に考えると搭載NANDパッケージの数も8個だと推測されます。

東芝のSG2を見てもらっても分かるようにインターリーブを使用することで、NANDメモリのダイを2個積層したパッケージを使用することで4ch並列アクセスでも200MB/sec弱の読み出し速度を実現できます。つまり、8個のパッケージを使い8ch並列アクセスで使用すれば、350MB/secの読み出し速度は理論上簡単に実現できるというわけです。

なお、Real SSDの256GB/128GB版の速度が、350MB/secにとどまっているのは、単純にコントローラがサチっているのではないかと思います。ノートパソコンの使用を考えた場合、消費電力の問題がありますので、PC OEMを考えているならNANDメモリの書き込みに必要な消費電力だけでなく、コントローラの消費電力も考えないと使えないことがでてきます。このため、ピーク時の消費電力を考えた結果、350MB/secにとどまっていると考えるほうが自然だと思います。

SSDの高速化について、以前、某社の方に伺ったことがありますが、現在のノートパソコンの電源供給能力を前提とすると、SSDの最大並列チャンネル数は、現状のNANDメモリの消費電力を前提に20チャンネルぐらいが限界と伺っています。

現状の2.5インチサイズとノートパソコンの電源供給能力を前提とするとSSDは、NANDメモリの省電力化が進まない限り、ある一定以上の速度向上が望めないところに来ています。そして、それは計算できる速度です。

2010/06/26追記
本製品を搭載NANDメモリ数を8個と予想しましたが、購入して分解された方の写真をみると両面実装で「16個」だったようです。製造単価を考えると16Gbitのダイを2個積層というのはちょっと考えにくいので、この製品は、32Gbitのダイ1つで構成されたパッケージを搭載している可能性が高いのではないでしょうか。また、ライト速度が70MB/secしか出ていない件ですが、これは、やはり並列ch数が8チャンネルだからという可能性が高いと思います。

2010年6月23日水曜日

JMF612搭載SSD同士でNANDメモリの性能差を軽くチェックしてみた

しばらく前のことですが、Jmicron製コントローラ「JMF612」を搭載したCFD販売のSSD2製品を使用する機会がありました。使用したのは、東芝製NANDメモリを搭載したCSSD-SM128WJ2とIntel製NANDメモリを搭載したCSSD-SM128WJ3です。

両製品は、ともにバッファローのオリジナル基板を採用したSSDで、外観上の基板パターンも同じであるため最大の違いは、搭載しているNANDメモリぐらいという製品です。(実際には搭載しているファームウェアのリビジョンも異なっています)。

以前、本ブログでコントローラが対応するNANDメモリの種類が増えると採用されているNANDメモリによってこっちが早いとかあるかもと書いたことがあります。ちょうど条件が近い環境が整ったので、そのときに簡単にチェックを行ってみました。なお、前述した通り、CSSD-SM128WJ2とWJ3は、「ファームウェア」のバージョンが微妙に異なっていた点には留意してください。WJ2は「091117」でWJ3は覚えていませんが、それとは異なるバージョンであったことは間違いありません。(すみません、画像キャプチャするのを忘れていたのでファームウェアのバージョンを忘れてしまいました)

では結果です。
Crystal Disk Mark 3.0の結果を見る限りは、東芝製NANDメモリを採用したWJ2の方がシーケンシャル速度に関しては総じて高速であるように見えます。加えて、ライト速度も全般的に東芝製NANDメモリを採用したWJ2の方が速いという傾向がみてとれます。一方で、リード速度のみに着目するとシーケンシャル速度は確かに東芝製NANDメモリが高速ですが、512KBや4KBのリードは、総じてIntel製NANDメモリを採用したWJ3が高速な傾向がみて取れます。

以前から感じていましたが、Intel製NANDメモリは、総じてライト速度が遅いようです。X-25Mしかり、X-25Vしかりです。特にわかりやすいのが、X-25Vと東芝のSG2との比較です。X-25Vは、5ch並列アクセスでありつつ、4ch並列の東芝SG2よりもシーケンシャルライトが遅くなっています。単純計算では、Intel製NANDメモリの場合、チップ当たり8MB/sec強の速度しか出ていません。それに対して、東芝のSG2は、X-25V同様に30nm台のNANDメモリを使用しつつ、チップ当たり12.5MB/secの速度がでていることになります。ライト速度が少し早くなったX-25M G2でもチップ当たりで10MB/secしかでていません。

以前、某社のSSD開発部隊の方とお話したことがあります。
そのときの話ですが、「NANDメモリに確実にデータを記録するには、時間をかけた方がよい」ということを話されていました。その方は、こうもおっしゃいました。「データの保持期間を無視してもよいなら、MLCでも書き込み速度は、もっとあげることができる」と。

NANDメモリでは、データの保持期間が実際の寿命に大きく影響します。NANDメモリは、データを書き込んだまま何もせず、放置しておくと、約10年ほどでそのデータは、読めなくなるからです。
これを前提にその方が言いたかったことを推測するとこういうことになります。

「チップ単体のライト速度は、公称値よりも上げることができる。ただし、ライト速度を上げすぎた結果、データの保持期間が短くなっても知らないよ」

IntelのSSDは、登場時からライト速度が遅すぎると思っていました。X-25M G1登場時ですら、一般的なMLCのライト速度は、10MB/secと言われていましたので、普通10ch並列なら100MB/secぐらいはシーケンシャルで出てもおかしくなかったからです。ですが、X-25M G1の速度は、なぜか70MB/sec強でした。明らかに単純計算より遅いのです。

IntelのSSDの書き込みが理論値よりも遅い件に関して想像できる理由2つあります。1つは、前述の某社のかたのお話から寿命等を考え、あえて遅めの速度で書き込んでいたことです。初物でもありますし、敢えて、安定性を重視した設計をしたというわけです。もう1つが、実は、チップそのもののライト速度がそれほど早くなかったことです。他にも、並列ライト時の処理が余り上手ではないと言うことも考えられますが・・・。

ただ、WJ2とWJ3の速度の違いをみると、どちらかというと単に遅いのではないかというのが今の僕の結論です。単純に考えると、Intelが今のコントローラと東芝製NANDメモリでSSDを作ったら、シーケンシャルライトが20%ぐらい高速化されそうです。

次回は、WJ2とWJ3に加え、Kingstonの東芝マーキングのJM61xコントローラが乗ったSSDのテスト結果についてレポートしたいと思います。Kingstonの製品は、「58NCF618GBT」という型番のコントローラが搭載されています。このコントローラは、JmicronのOEMであることは間違いなく、JM612のカスタム品またはJM618といわれています。Kingstonのこの製品の搭載NANDメモリは、東芝製なので、東芝NANDメモリ向けのカスタムが入ったコントローラと考えられなくもありませんが、型番から推測するにJM618でもおかしくはありません。短時間のチェックだったので、例によって簡単なベンチになりますが、Kingstonは、WJ2/WJ3とは違った動きをみせてくれます。

2010年6月17日木曜日

AMD SB850(SATA 6G)の性能

先月のことですが、AMDのSerial ATA Revision3(SATA 6G)対応チップ「SB850」搭載マザーを使う機会がありました。運良く、Crucial RealSSD C300が6台ほど使えたのでSATA 6G環境のRAID0でどのぐらい速度がでるのかチェックしてみました。テスト環境は、以下のとおりです。

M/B:GA-890GPA-UD3H
CPU:Phenom II X4 955 Black Edition
RAM:4GB

最初に結果を報告しておくとリードライトともに「1GB/sec強」で頭うち(業界用語で「サチる」)になってしまいました。SB850のRAIDは、ストライプサイズを64KBと128KBの2種類が選択できましたが、どちらを設定しても最大速度は、1GB/sec強にとどまります。このため、単体でリード速度が350MB/secほどでるReal SSD C300は、4台以上でRAID0を構築してもリード速度がまずサチり、あとは、ライト速度がサチるまで微妙に上がるだけという感じになります。

6台のRAID0では、1GB/sec強でサチってしまうので、次に4台でRAID0を構築した時の結果を載せておきます。4台にした理由は、単純です。SB850が1GB/sec強でサチっているので、4台なら理論上の速度が1400MB/sec、ライトが880MB/secとなり、もっともバランスが良さそうな気がしたからです。実際の結果も狙い通りで、リードは1GB/sec強、ライトも800MB/sec前後となりました。ストライプサイズも64K/128Kの場合で大きな違いはありません。

SB850は、ノースブリッジとの間を2GB/secのAlink Express IIIで接続しているので、もう少し速度がでるかとテスト前は期待していましたが、1GB/sec強でサチってしまい少々期待はずれでした。個人的には、1500MB/secは無理でも1200MB/secぐらいなら案外行けるかもと思っていたのですが・・・。
ただ、冷静に考えてみると、最新のSAS2.0対応のRAIDカードでRAID0を構築しても、現実的には、1500MB/secぐらいでサチってしまいます。それを考えるとSB850は案外頑張っているといえるのかもしれません。

2010年6月15日火曜日

続、MX-DS

多忙だったため、しばらく放置プレイをしてしまいました。
申し訳ございません。

ちょっと時間があいてしまいましたが、前回レポートしたSandForce SF-1200採用のMX-DSを再度、使う機会がありました。そのときにファームアップと短時間ですが劣化試験を行ってみたのでその結果をレポートします。

まず、前回、SecureErase後に変な挙動を示したMX-DSでしたが、今回テストした製品では、そのような挙動は見られなかったことを最初に報告しておきます。ただし、SecureEraseは、ファームウェアを最新版に更新後、何度かベンチマークを取ったあとに行っています。そのため、最新のファームウェアで解消されたのか、それとも前回テストした機体固有の問題であったかは不明ですが、最新ファームウェアではSecureEraseを行っても問題はでないと思われます。

次に劣化試験ですが、ドライバーは、Trimの発行をサポートしているIntelのRapidStrageTechnology Ver9.6.0.1014を使い、いつもの劣化試験用の書き込みを行いました。結果は、グラフを見てもらえばわかるかと思いますが、SF-1500を搭載したG-Monster2 SFV1とは全く異なる挙動となっています。MX-DSの劣化状態の速度は、ランダムライトこそSecureErase後との比較で速度低下がみられていますが、シーケンシャルライト速度は、大きな変動が変動が見られていません。G-Monster2 SFV1では、初期の半分ぐらいまでライト速度が低下していたことを考えると大きな違いです。


また、Trim後の挙動についても多少変化が見られています。
MX-DSは、Trim後のテストでも完全にもとの速度まで回復していないものの多少の回復がみられています。 G-Monster2 SFV1のときは、シーケンシャルライトの速度が劣化状態のときと変化がほとんとなかったことを考えるとTrimの挙動にも変化が見られています。

これらの結果からも分かるように、MX-DSの最新ファームは、少なくともG-Monster2 SFV1の初期ファームとは挙動が異なるようです。SF-1200とSF-1500なのでコントローラの違いもあるとは思いますが、少なくとも僕がテストした限りでは、SF-1200を採用したMX-DSの方が、G-Monster2 SFV1の初期ファームよりもできがよいと感じています。個人的な感想をいわせてもらえば、SF-1500を採用したG-Monster2 SFV1も最初からこのレベルのファームウェアで製品が登場していたら、ずいぶんと印象が違ったのではないかと思います。