2010年3月28日日曜日

SSDの一般化は2012年?

久しぶりの更新になります。
さて、今回は、SSD一般化の時期について最近良く耳にするようになったことを書きたいと思います。

現在、業界では、SSDが一般化する時期を「2012年」頃と予想されている方が多いようです。この一般化とは、SSDを搭載したパソコンが普通に売れるようになり、爆発的にSSDが普及しだす時期と言った方が良いかもしれません。

なぜ、このような話になっているかというと、現時点で、 SSD内蔵のパソコンがまったく売れていないというのが理由です。その原因も明白で、単純に「価格が高い」ことにあるようです。伝え聞く話では、ある大手メーカーは、SSDの搭載比率を現状よりも引き下げることを計画しているという噂もあります。これも、ひとえにSSD搭載パソコンの販売不振が理由のようです。ようするに、現状のSSDは、まだ高すぎて、SSD搭載パソコンは売れないと判断したということでしょう。

実際、先日、 JEITAが調べた2月の国内の出荷実績が発表されていましたが、出荷台数の伸びと出荷金額の伸び幅に差があります。出荷台数は、前年同月比44.5%増でしたが、出荷金額は24.8%でした。これを見ると高いSSD搭載パソコンの販売が不振だといわれてもまあそうなんだろうなと思ってしまいます。

話をもとに戻しますが、SSDの一般化が2012年という話が出ているのは、そこそこの容量のSSDが手頃な価格になりパソコンに搭載しても問題なく売れる時期がそのぐらいと予想している方が多いということの裏返しです。SSDでもっとも高価な部品は、NANDメモリであり、これが安価にならなければ、SSDは低価格化が見込めません。

現在のNANDメモリは、某リンゴさんが大量に買い付けただけでなく、その需要は旺盛で価格が高止まりしています。本来、30nm世代に移行したことで価格が下がることが期待されましたが、需要が旺盛なため現時点では、大きな変動はみられてないようです。2012年の一般化を予想する方々もしばらくは、この状況が続き、NANDメモリの価格が高止まりするとみているのだと思います。

現在もっとも安価なSSDは、NANDメモリパッケージを4個搭載した30GBクラスの製品でこれが1万円前後といったところです。 技術的なことをいえば、8積層パッケージを使用すると4個のパッケージで128GBのSSDを製造でき、量産が始まった16積層パッケージを使用すると256GBのSSDが製造できます。少量のパッケージでもそれなりの容量のSSDが製造できるので、後は、NANDメモリの価格次第です。早く安価になってほしいものです。

2010年3月14日日曜日

Crucial Real SSD C300とTrim

話題の新製品、Crucial Real SSD C300ですが、販売が始まったことでベンチマーク結果を目にする機会が増えてきました。このため、初期速度については、多くの方が目にする機会が多いと思いますので、ここでは、目線を変えたテスト結果を書きたいと思います。実は、先日、Real SSD C300をちょっとだけ試用したときに、速度落ちのテスト以外にも、Trimについても短時間ながらテストしていました。その結果をレポートします。

テスト内容は、劣化状態のReal SSD C300内に記録されたファイルをすべて削除し、記録速度が購入時近くまで戻るかどうかを調べています。Real SSD C300が、IntelのX25-M(G2)のように、Trimで通知された論理アドレスを元にバックグラウンドで物理消去を行うタイプであれば、これで記録速度が初期状態近くに戻るはずです。Trimそのものは、受け取った情報をどのように使うかはメーカー次第となっているので、このような実験を行ってみました。

テストの手法は、前回記事でReal SSD C300の速度落ちをチェックしたときと同じです。まず、速度劣化した状態のReal SSD C300を強制的に作り出し、書き込んだファイルをすべて削除して、5分弱程度放置した後、HD Tune PRO 4.01のBenchmark(ブロックサイズ64KB)で速度を計測しました。また、テストは、すべてSecureErase後に行っており、Trimの場合は、SecureErase->劣化状態作成->ファイル削除->5分弱放置->ベンチマークという手順で行っています。

結果ですが、グラフをみれば解るように、全域が、ほぼ初期状態の速度に戻っているわけではないもののかなり部分が初期状態に戻っています(初期状態の速度は、PC WATCHを、劣化時の速度は、前回記事をご参照ください)。通常、Trimの情報を用いた物理消去は、バックグラウンドで行われると思いますので、全域が元に戻らなったのは、放置時間が足りなかった可能性も否定できません。しかし、これだけ初期状態の速度に戻っている部分があることを考えると、本製品も基本的に物理消去可能なところに関しては、物理消去をバックグラウンドで行っているとみて間違いはないと思います。


本ブログでは、何度も書いていますが、Trimは、あくまで情報を通知するだけなので、使い方はメーカー次第です。SandForceコントローラを採用したG-Monster2 SFV1のように今回と同じようなテストを行っても大きな変化が見られない製品もありますし、IntelのX-25M(G2)のようにほぼ初期状態まで記録速度が回復する製品もあります。Trimの使用法は、メーカーによってマチマチだと思いますので、今後もこのあたりの調査を継続して行きたいと思います。

2010年3月12日金曜日

SSDの評価は難しい

仕事柄、SSDのベンチマークを取ることが多いのですが、つくづくSSDの評価は難しいと感じます。たとえば、SandForceのコントローラは、データ圧縮技術を採用しているためリードライトに用いるデータによって速度が違いますので、ベンチマーク結果のみを鵜呑みにすることはできません。

また、初期のベンチはよいのですが、やはり、大量のデータの書き込みと削除を繰り返すとSSDなので速度が低下します。しかも、製品によっては、極端な低下がみられます。(あくまでベンチマーク上ですが)。たとえば、話題のSATA Gen3対応のCrucial Real SSD C300という製品もそうでした。先日この製品をちょっとだけテストする機会がありましたが、この製品、初期の速度は非常に高速で、現役トップかもしれません。

しかし、この製品もガシガシ、ファイルの書き込みと削除を繰り返すと速度低下します。速度低下が悪いわけではありません。SSDの場合、これは、その仕様上、しょうがないとさえ思っています。ですが、この部分にメーカー間に差があるのは、事実ですし、速度低下が起きにくいようにしたとして、今度は、寿命がどうなのかが問題になります。速度低下しにくい分、WAが高く、実は、寿命が短かったなどということになりかねないからです。

参考までにデータをお見せします。これは、Crucial Real SSD C300 256GB版に総記録容量の約90%までIntelのTrimテストを行った時の要領でデータを記録したときの速度です。ImpressのPC Watchや日経さんに掲載されている速度と比較すると3分の1ぐらいの記録速度まで低下しています。実際の使用環境では、このようなデータの記録の仕方はないと思いますので、おそらく、ここまで速度が劣化することはないと思います。そういう意味でこの結果は、実用上意味がないものかもしれませんが、ガシガシ書き込みと削除を繰り返せば、このぐらいの速度にまで落とせるということです。


一方、これが、速度劣化が起きにくいとネットでも評判の東芝のHG2 128GB版の結果です。(テスト方法は、RealSSD C300と同じで総記録容量の約90%までデータを記録したときの速度です)SecureErase後と劣化テスト後の両方の結果を見比べてもらえばわかりますのが、速度差が少なく、速度が落ち難いという点に関しては、東芝のSSDの方が優れていると考えても間違いはないでしょう。


東芝のHG2は、ベンチマークこそIntelのX-25Mや今回のReal SSD C300には、明らかに劣っていますが、実際の使用感は、悪く有りませんし、速度落ちも他社と比較して少ないようです。ですが、初期の絶対性能では、明らかに劣っています。これをどう評価するか難しいところです。しかも、このような劣化テストは、実際の使用環境とかけ離れたMinimum性能を計測している可能性もあります。もちろん、Minimumが重要な場合もありますが・・・。

SSDを評価するなら本来、初期速度ではなく、ある程度使った状態の性能を比較したいところなのですが、これを行えるようなベンチマークソフトはありません。速度落ちのテストでは、とにかく時間をかけてひたすら記録するしかないので、かなりの時間を必要としますし、しかも、やりすぎれば、実環境とかけ離れたMinimumを測定しかねませんのでほとほどにしなければなりません。難しいものです。現状では、両極端を調べるのがもっともわかりやすいのでこのような手法をとっていますが、将来的には、もっとちがった方法も模索すべきだと思います。

なお、個人的な製品イメージですが、初期速度は別としてもやはり国内の雄、東芝は、良く出来ていると思います。同じ手法でテストして顕著な速度低下が発生する製品が多い中、速度劣化が少ないのは、やはり、嬉しいのではないでしょうか(速度劣化のテストをして改めてそう感じました)。加えて、開発体制も規模が大きいので製品完成度が非常に高いのもGoodです。(はじめて使った時には、ベンチ結果が悪かったのでやっちゃった感がありましたが・・・)。

また、SandForceのコントローラも当初は、記録速度が以外に速く落ちていくので「なんだこりゃ」感はありましたが、ガシガシ記録と削除を繰り返してもある程度(圧縮ファイルの記録で90MB/sec前後)で速度低下が止まっているようですし、SecureEraseもできるようになったので良く出来ているというイメージが徐々に大きくなってきました。

Indilinxもコントローラの性能的には、悪くないというかむしろ良く出来ていると思います。ただ、開発体制が・・・なのが不安です。IntelやMarvellさんは、特にいまのところコメントはありません。Jmiconについては、微妙です。INITIOは、Jmiconより良いイメージです。eastWhoは、微妙です。PHISONは、ヤバイです。

2010年3月9日火曜日

Linuxを使用したSecureEraseの手順

前回、SecureEraseが行えるSSDの情報を紹介しましたが、新たに判明したことがあるので今回は、その情報の報告とLinuxでSSDをSecureEraseする方法について紹介したいと思います。

まず、最初にお詫びをしておきますが、前回のSecureEraseが行えるSSDの表は、「HDDErase」を使用してSecureEraseを行えるSSDを僕が個人的に調べたものです。SecureErase自体は、Security Feature Command Setに対応したSSDなら基本的に行えるはずですが、マザーボードのBIOSの相性等でHDDEraseを使用したSecureEraseを行えないケースがあります。これらの製品は、Secure Eraseコマンドを発行するために必要なFrozen状態を解除するすべがなく、SecureEraseを実行できないことから「非対応」として掲載しておりました。

今回、HDDEraseでSecureEraseを行えなかったG-Monster2 SFV1(SandForce製コントローラ搭載)でもLinuxの「hdparm」コマンドを使用することでSecureEraseが行えることが解ったので、訂正してお詫びしておきたいと思います。HDDEraseでSecureEraseを行えないSSDでもLinuxの「hdparm」を使用すればSecureEraseが行える可能性があるので、そういう方は試してみることをオススメします。

なお、INITIO製INIC-1811を採用したCFD販売の製品やeastWho社コントローラを採用したGmonsterV4ZIFは、そもそもSecurity Feature Command Setに対応していないので、Linuxを使用してもSecureEraseを行えない点にはご注意ください。
また、JmicronのJMF612を搭載したSSDは、Security Feature Command Setに対応しています。加えて、直近でテストしたCFD販売のCSSD-SM128WJ2(JMF612搭載)は、いつの間にかHDDEraseでSecureEraseを行えるようになっていました。

では、Linuxを使用したSecureEraseの手順を紹介しておきます。
検証に使用したLinuxのディストリビューションは、「ubuntu 9.10 JP Remix」です。
これを光ディスクに焼き、光学ドライブから起動してSecureEraseを行いました。
SATAの動作モードは、IDEモードで行っています。AHCIモードも試しましたが、なぜかG-Monster2 SFV1がubuntuに認識されませんでした。テストに使用したマザーボードは、ASUS社のP5Qです。
注意)作業は、コンソールを開いて行い、root権限で作業を行う必要があります。ubuntuでは、「sudo」コマンドを先頭に付けるとroot権限でコマンドが実行されますので、すべて先頭に「sudo」コマンドを付けています。他のディストリビューションで作業するときは、注意してください。

2010/3/10追記
G-Monster2 SFV1以外の製品を上記手順でSecureEraseしてみましたが、SSDを抜き差ししたあとLinuxで認識されないケースがみられました。その場合は、eSATAを使ってみると解消できる可能性があります。ICH等の内部ポートだけでなく、eSATAポートでも試してみてください。

手順1
端末(コンソール)を開きます。端末は、[アプリケーション]-[アクセサリ]-[端末]で開けます。

手順2
コマンドプロンプトで「hdparm -I /dev/デバイス名」と入力します。
デバイス名が分からない時は、 [システム]-[システム管理]-[ディスク・ユーティリティ]と開くことでデバイス名を確認できます。通常、「sda」「sdb」「sdc」などのように「sdX」ではないかと思います。

手順3
SSDが「not frozen」になっているかどうかを確認します。
「not frozen」になっていない場合は、SecureEraseを行えないので、そのままSSDをホットプラグで抜き差し(ケーブルの抜き取り差し込みでもかまいません)して、再度、手順2を実行し、「not frozen」になっているかどうかを確認します。


手順4
パスワードを設定します。
hdparm --user-master u --security-set-pass password /dev/デバイス名」と入力します。「password」の部分は好きな文字列を入力してください。設定したパスワードの情報が表示されます。
手順5
再度、コマンドプロンプトで「hdparm -I /dev/デバイス名」と入力し、Security項目の上から2番目の「enabled」の左横に「not」の文字がないことを確認します。
手順6
time hdparm --user-master u --security-erase password /dev/デバイス名」と入力します。「password」の部分は、手順4で設定したパスワードを入力してください。
手順7
再度、コマンドプロンプトで「hdparm -I /dev/デバイス名」と入力し、Security項目の上から2番目の「enabled」の左横に「not」の文字が付いていることを確認します。以上で、SecureEraseは終了です。