2010年2月24日水曜日

SecureEraseの対応状況のまとめ

SecureEraseは、SSDを購入直後の速度に戻してくれる機能として有名ですが、現在発売中のすべてのSSDがこの機能をサポートしているわけではありません。僕は、仕事柄、多くのSSDを試用してきましたが、必ず、SecureEraseを使用できるかをチェックしているので、これまで試用したことがあるSSDのSecureErase対応状況を今回は、まとめて置きたいと思います。購入時の参考にしていただけたらと思います。

メーカー名コントローラ名対応状況備考
JmicronJMF602非対応CFD販売 CSSD-SM60NJで確認
JMF612非対応(注)G-monsterV5Jで確認
JMF612対応(注)2010/3/8追記、CSSD-SM128WJ2で確認
IntelPC29AS21BA0対応X25-E、X25-M、X25-Vともに対応
SamsungS3C29RBB01対応MMDOE56G5MXPで確認。その前の世代もOK
TOSHIBA????対応HG2、SG2シリーズともに対応
INITIOINIC-1811非対応CFD販売 CSSD-SM32WINで確認
SandForceSF-1500?対応(2010.3.10追記)Gmonster2 SFV1で確認。Linuxでhdparmを使用することで可能。(2010.3.10追記)
IndilinxBarefoot対応OCZ、PhotoFast、NANAMicronなど各社で確認
eastWho????非対応GmonsterV4ZIFで確認

SecureEraseの対応状況は、上記のような感じですが、基本的に大手PCメーカーにOEMで採用されている3社(Intel、東芝、SAMSUNG)は、初期からすべての製品で対応しています。これらの製品は、HDDEraseを使用することで簡単にSecureEraseを実行できます。

また、Indilinx製のコントローラを採用したSSDは、SecureEraseを行うことは可能ですが、少なくとも僕の環境では、HDDEraseでSecureEraseを実行するためにHDAT2というソフトも併用する必要がありました。具体的には、以下の手順で僕は、SecureEraseを実行しています。
  1. SATAの設定をIDEモードのCompatibleで起動
  2. HDDEraseを実行
  3. SecureEraseを実行するSSDを選択し、メニューに沿って「y」を選択し、ハードリセットする
  4. 再起動後、HDAT2を実行
  5. SecureEraseを実行するSSDを選択し、DCO(Deviece Configration Overlay)メニューを選択
  6.  メニューから「Restor」を実行
  7. HDAT2を終了
  8. 再度、HDDEraseを実行
なお、上記の表からも解るようにJmicron、eastWho、SandForce、INITIOの2社のコントローラでは今のところSecureEraseを行えません。 これらの製品でも本当は、メーカーのチェック用にSecureErase相当のベンダーユニークコマンドがあると思うのですが・・・。まあ、普通は、そんなコマンドが公開されることはないと思います。Trim対応の製品では、ファイルのオール削除やパーティションの再作成等で初期速度に戻ることを期待したいところです。Trimの挙動については、近く、ある程度まとめたものを公開したいと思います。

2010/3/8 追記
Jmicron社のJMF612を搭載したCFD販売のCSSD-SM128WJ2(Trim対応、FirmVer 091117)では、HDDEraseでSecureEraseを行えることを確認しました。Trim非対応だったG-MonsterV5Jやジングルの製品では、HDDEraseでSecureEraseを行えませんでしたが、いつの間にか使えるようになっていたようです。もしかしたら、Trim対応のJMF612搭載SSDならすべてSecureEraseが行えるのかもしれません。

2010/3/10 追記
SandForce(G-Monster2 SFV1)でのSecureErase対応を確認しました。
この製品は、元々コマンドには対応していたのですが、僕の環境でHDDEraseによるSecureErase実行をこれまで確認できませんでした。SecureEraseを行うためには、Frozen状態を解除しなければならないのですが、これの解除ができなかったのが原因です。
ですが、本日、この解除方法を見つけたので、更新を行いました。結論からいけば、Linuxのhdparmを使用することで本製品でもSecureEraseが行えることを確認しました。詳細手順は、別稿で紹介しますが、ポイントは、Linux起動中にSSD(G-Monster2 SFV1)をホットプラグで抜き差しすることです。これでFrozen状態を解除でき、SecureEraseを行うことができます。動作の確認を行った環境は、マザーボードがASUSのP5QでSATAの動作モードはIDEモード。OSは、ubuntuを使用しました。

2010年2月16日火曜日

Gmonster2 SFV1(SandForceコントローラ)の使用雑感

先日、SandForce社のコントローラを採用したSSD「Gmonster2 SFV1」をテストする機会がありました。Crystal Dsik Mark等の結果は、すでに公開されていますので、それ以外の点についてちょっとしたテストを行った結果をレポートしたいと思います。
SandForce社のコントローラは、ご存知の方の多いと思いますが、4KBのランダムライト速度がIntelのX25シリーズを超える速度を実現しているため注目を集めています。(それ以外の速度も速いですが)現在トレンドとなっている外部キャッシュ用のDRAMを搭載していませんが、データを「圧縮」して記録するという他社製品には見られない独自の工夫を施しているようです。

記録するデータを圧縮すれば、実際に書き込むデータのサイズが小さくなり、物理的に記録するエリアが少なくてすみますので、書込み回数自体を削減でき、耐久性が向上することはいうまでもありません。

また、本製品は、予備領域も他社の製品よりも当初から多めに取られている点も長寿命化に貢献しています。本製品は、SAMSUNG製の64GbitのNANDメモリを全部で16個搭載していますが、100GB版の記録容量は約93GBほどです。つまり、約35GBのエリアは、当初から予備領域に使われているということになります。この容量は、他社の128GBのSSDの4から5倍ぐらいを割り当てられていることになり、データを圧縮していることも加味するとかなりの寿命が予想できます。というか、普通に考えても一般的な128GBのSSDより、圧倒的に長寿命であることが想像できます。

次に本製品が、本当にデータ圧縮を使っているかどうかをファイルのコピー速度を計測することでチェックしてみました。使用したデータは、すでに圧縮済みのファイル、すべてのデータが「0」のALL0データファイル、さらにランダムなデータのファイルの3種類です。これらのファイル10GB分のコピー時間を計測しました。結果ですが、グラフを見れば解るように、圧縮率が非常に高くなるALL0のデータは、転送時間も短く、240MB/sec強の速度が出ています。一方、すでに圧縮済みのファイルは、その半分以下の速度しか出ていません。更にランダムデータに至っては、23MB/sec弱しか速度がでませんでした。


もっとも遅かったランダムデータについて補足説明しておきますが、実はこのファイル、100MBのサイズのファイルをZIPで圧縮するのに、Core2DUO E8600のパソコンで4分30秒近くかかるという圧縮に非常に時間がかかるファイルです(ファイルサイズは、元の35%程度まで圧縮されます)。本製品は、パソコンを使っても圧縮に時間がかかるファイルに関しては、やはり、記録速度も低下するようです。以上のことからみても、本製品が、データ圧縮を行っているというのは、間違いないと思います。また、データ圧縮を行っているということは、ファイルによって記録速度が異なることになります。これまでのSSDは、どんなファイルを記録してもそのサイズ分必ず物理エリアを使用していましたが、本製品では、それが当てはまりません。

テストしていてTrimの使い方にも疑問を感じました。本製品もTrim対応となっていますが、少なくともIntelのX25-MのようなTrimの使い方を行っているようにみえませんでした。つまり、Trimによって得た情報により、消去可能な物理ブロックを予め消去しておくことで記録速度を戻すということを行っていないようにみえるのです。実際にこの点が気になったので、X-25MのTrimの効能でチェックした時と同じ手法で、320回データを記録した後の速度とパーティションを再確保、フォーマットしたときの速度と比較してみましたが、やはり、速度に変化がほとんどありませんでした。というか、グラフに変化がほとんどありません。

本製品は、SecureEraseにも未対応のようでHDDEraseを使うことはできませんでした。Trimについては、必ず、こう使わなけばならないという規定があるわけではないので、特にこの仕様でも問題はないのですが、SecureEraseができない点は、少々残念です。

2010.3.13
修正が遅くなりましたが、Linuxでhdparmを使用すれば、G-Monster2 SFV1でもSecureEraseを行えることが分かりました。G-Monster2 SFV1(SandForceコントローラ搭載)をSecureEraseしたいときは、ここの手順を参考にしてください。

2010.3.17追記
その後、HDDEraseでも起動後にドライブの電源をいれることでFreeze Lockをバイパスでき、SecureEraseを行えるという報告がありました。SecureEraseをHDDEraseで行いたいときは、この方法を試してみてください。

2010年2月11日木曜日

東芝の廉価版SSD「SG2シリーズ」の詳細スペック

SSDは、毎月のように新製品が登場していますが、国内の大手メーカー東芝からも、廉価版SSD「SG2シリーズ」の出荷が始まっています。今回は、この製品の詳細スペックが解ったので紹介したいと思います。

SG2シリーズは、IOデータが現在販売しているHG2シリーズの廉価版的位置づけのSSDです(すでに製品情報が、東芝セミコン社のホームページに掲載されています)。SG2シリーズは、Intelが発売している40GBのSSD「X25-V」と同系統の製品で、HG2シリーズをスペックダウンすることで低価格化を行った製品となっています。ただし、Intelのように上位機種(X-25M)と同じ基板で搭載NANDチップ数が減ったSSDというわけではありません。搭載コントローラは、HG2シリーズとは異なる新しいコントローラで今年に入って発表されたHG3シリーズと同系統のもののようです。

SG2シリーズは、セミコン社のページの写真からも解るように非常に小さな基板で設計されています。外部キャッシュは、HG2シリーズの半分の「64MB」。NANDメモリの搭載数は4つで、最新の32nm世代のNANDメモリを採用しています。

また、SG2シリーズの並列チャンネル数は、NANDメモリの数から解るように物理的には「4ch」ですが、公称リード速度180MB/sec、ライト50MB/secを実現しています。NANDメモリ4つでリード180MB/secという速度は、単純計算するとメモリ当たり45MB/secも速度がでていることになりますが、これは、インターリーブを使用して速度を稼いでいるようです。

現在のNANDメモリは、「チップ」を積層することでパッケージ当たりの容量を増やしています。たとえば、SG2シリーズでは、2.5インチ型のSSDとして30/62GB版が準備されていますが、どちらもNANDメモリは4チップ構成で違いは、搭載NANDメモリのパッケージ内のチップ積層数のみとなっています。つまり、30GB版は、4GB(32Gbit)のチップを2積層したパッケージを採用し、62GB版は、4積層したパッケージを採用しているということになります。SG2シリーズでは、チップ単体では、リード20MB/sec強、ライト10MB/sec前後しかでないところをパッケージ内に積層されたチップをインターリーブで使用することでリードで40MB/sec強の速度がでるようにしているということのようです。

実は、IntelのX-25Vにしても少ないNANDメモリの数でやたらと速度が速いなと以前から思っていましたが、その速度の秘密はインターリーブにあったようです。IntelのX25-Vの場合は、物理的には5ch並列ですが、インターリーブを使用して200MB/sec弱というリード速度を稼いているのではないかと思います。また、SSDの場合、容量によって速度が異なる製品がみられますが、これらは、もしかしたら、インターリーブが関係しているのかもしれません。

なお、SG2シリーズは、Trim対応ですが、NCQには対応しておりません。

SG2シリーズは、すでに量産出荷中で、NECのノートパソコン(LaVie Gシリーズ)や富士通のLoox Uなどに搭載されています。また、すでに一部で話題になっていますが、KingstonのSSD Now Vシリーズの最新製品(Trim対応の30GBのSSD)がSG2シリーズを採用しているようです。

今買うなら、NECのLaVie Gシリーズがオススメです。NECダイレクトでしか購入できませんが、SG2シリーズの62GB版をなんとプラス「8400円」でつけることができます。普通に買うより絶対安いので価格的にはかなり良いと思います。ただし、LaVie Gシリーズでは、2.5インチ版ではなく、mSATA版のSG2シリーズを使っているようなので、後で使いまわすときには苦労するかもしれません。その点には、ご注意ください。

2010年2月4日木曜日

PCH(P55 Express)のRAID5の性能について

最近のマザーには、多くの場合、チップセット内蔵のRAID機能が搭載されていることが一般的です。(まれにRAID機能がないこともありますが・・・)今回、仕事でP55 ExpressのRAID5をチェックする機会があったのでその感想などを書きたいと思います。

まず、何はともあれ、ベンチマークの結果から見てもらうと何が言いたいか僕の気持ちが解るでしょう(笑)。左のベンチは、Barracuda XTを4台使ってオンボードのPCH(P55 Express)で、ストライプサイズは128KB、ライトキャッシュは初期値のオフでRAID5を構築したときのベンチ結果です。リードは、それなりの速度になっていますが、ライトがいただけません。シーケンシャルで46MB/secしかでていません。激遅です。これは、使えないというのではないでしょうか。

マトリックスストレージマネージャーを使って、RAIDボリュームのライトキャッシュをオンにすると、ライト速度が170MB/secに高速化されますが、それでもまだ、遅めです。おまけのチップセット内蔵機能なのでこの程度という話もあるのでしょうが、それにしてももう少しなんとかならないのかという気がし ます。

最近のCPUならパワーも余っているので、RAID5のパリティ計算をCPUで行っても多少速度が遅くなってCPU負荷率が上がる程度で 問題ないだろうぐらいに当初僕は考えていました。しかし、僕の考えは甘かったようです。パリティ計算を専用チップで行う本物のハードウェアRAIDカードならRAID5で使ってもRAID0と大差ない速度がでる製品もありますので、やっぱり、ICH/PCHのRAID機能はおまけなんだなと思います。使うにしてもRAID0やRAID1が精一杯でRAID5をちゃんと使いたいならやっぱりハードウェアRAIDが一番だと感じました。

2TBの壁

久しぶりの更新です。
SSDの話でもと思いましたが、今回は、見かける機会が増えてきた「2TBの壁」について書きたいと思います。この問題は、以前から言われていましたが、3.5インチHDDのプラッタ容量が次世代で750GBに達することからいよいよ現実的となってきたので、どのような制限がでるかを簡単に説明したいと思います。

2TBの壁は、主にMBR(マスターブートレコード)の制限から発生しています。他にも、リードライトコマンドの論理アドレス指定の問題もあります。
MBRは、情報を32bitで管理しており、2の32乗個のセクタ数しか管理できません。現在一般的なHDDでは、1セクタ512バイトなので、これで計算すると2TB未満(2TBちょうどはダメです)までしか管理できないということになります。これが2TBの壁と言われているものです。

ちなみにセクタサイズを512バイトから4KBへと変更したBigSectorに対応のHDDの販売も始まっていますが、現在の製品は、エミュレーションデバイスと呼ばれる製品です。これは、内部を4KBセクタで管理しているもののホストに対しては現在一般的な512バイトセクタドライブと同じに見えるようにしたものです(SSDみたいなものですね)。このため、512バイトセクタのHDDと同じように使用できる反面、制限もそのまま引きずります。純粋に4KBセクタで管理するネイティブデバイスもそのうち発売されると思いますが、512バイトセクタを前提にしたソフトウェア等の存在もあり、互換性維持のためエミュレーションデバイスから販売が始まりました。

では、2TBの容量を超えたドライブはどのようにして管理すればよいかというと、「GPT(GUIDパーティションテーブル)」という管理方法がすでに準備されています。
GPTは、WindowsXP 64bitからサポートされており、WindowsVistaやWindows7でも対応しています。これを使用することで、2TBを超えるドライブを管理できるようになります。ちなみに、Windowsで2TBを超えたドライブをMBRで管理しようとすると、2TB未満の領域のみ使用できます。2TBを超えた部分は、未使用のまま使用できなくなります。

また、2TBを超えたドライブをOSの起動ドライブとして使用する場合にも問題があります。GPTで管理されたドライブからのシステムの起動は、「EFI」BIOSを採用したマザーとEFIからの起動をサポートしたOSが必要です。WindowsならVistaの64bitとWindows7の64bitが対応しています。

より詳細な、情報を知りたい方は、まとめサイトがあるので読まれることをオススメします。