2010年7月17日土曜日

BDXLはどうなのか

本日、BDXL対応のレコーダの発表がありました。
アクセス解析をみていたら、以前書いたBDXLの記事へのアクセスが多少増えているようなので、実際の製品が発表されたということで、BDXLに対して僕が思っていることをもう少し書きたいと思います。

まず、ディスクの価格からです。僕は、前回の記事でBDXLの記録メディアはかなり高くなると予想しましたが、実際の予価も大体想像通りのものでした。その価格は、3層(TL)ディスクで5000円という、HDDなら1TBクラスが購入できる価格です。僕は、前回の記事で価格までは書きませんでしたが、大体このぐらいの価格ではないかと想像しておりました。根拠は、従来のDLディスクのスタート価格がこのぐらいだったからです。これをベースに考えると、僕の予想では、4層ディスクを今の時点で発売すると1万円前後のスタート価格になると思います。(1万円で済めば良いですが、それを超えた価格でも僕は特に驚きません。)

というのも、BDのように順積みの積層で作るディスクの歩留まりは、記録層を重ねるごとに悪くなっていくからです。ちょっと乱暴な説明ですが、1記録層あたりの歩留まりが95%だと仮定すると、単純計算でシングルレイヤーなら100枚製造して95枚が良品ということになります。ですが、2層ディスクでは、この95枚の良品の中からしか取れません。このような感じで、記録層が増えるごとにどんどん不良品が増加していくのです。

加えて、BDXLのディスクは、記録層と記録層のスペーサー層がTLの場合で2つ、4層では3つ必要になるため、これがディスク製造の歩留まりに影響を与えると思います。というのも、DLでは、スペーサー層は1つでしかも厚みは固定(といっても多少のばらつきは認められていますが)でしたが、3層のTLや4層では、DLのように固定のバラツキというわけにはいきません。前回も説明しましたが、ここを固定にすると記録再生中のターゲット層以外の層で反射したレーザー光が迷走して、記録再生に影響を与えるためです。

具体的にどのような影響がでるかというと、記録中の物理アドレスが読めなくなり、記録の失敗が発生する。再生が途中で止まるなどの現象が考えられます。この問題を解決するために、BDXLでは、おそらく、DLディスク以上にスペーサー層の厚みに厳しい制限が加えられていると思います。この制限が、ディスク製造における難易度を高めていると個人的には想像しております。

ちなみに、記録層の膜厚ムラですが、BDXLの場合、おそらく、記録材料は無機膜のみに限定されている思いますので、その影響はそれほど大きくないのではないかと思います。理由は、無機膜のディスクの製造は、スパッタリング装置で行うことになり、膜厚ムラは、基本的にスパッタリング装置の精度で決まるからです。規格は、スパッタリング装置の精度を加味して作られているはずなので、現状の装置なら対応できるレベルに収められていると想像できるというわけです。

次にドライブの価格ですが、これも前回説明したように、おそらくそれほど高くはならないと思います。理由は、いくつかありますが、1つには、現状のBDドライブが、すでに球面収差補正とチルト補正機能の両方を搭載している可能性が高いからです。

というのもBDXLと従来のBD規格を比較した場合の機構的な部分での最大の違いは、前回も説明した信号処理の部分と収差補正機構にあると思うからです。従来のBD規格は、球面収差補正は必須でしたが、チルト補正は必須ではありませんでした。ですが、BDXLでは、両方の収差補正の搭載が必須となっていると思います。ただ、現在のBDドライブは、前述したように球面収差/チルト補正の両方に対応しているドライブがかなり多いはずなので、すでに機構的な要件を満たしている可能性が高いといえます。このため、無いものは、信号処理の部分(LSI)ということになり、ドライブの物理的な価格はそれほど高くないというわけです。

最後にBDXLで個人的に注目しているのは、再生光劣化の問題です。
不安を煽るようですが、BD(正しくは、HD DVDもでしたが)では、再生光劣化が発生する可能性があります。気づいている方もいるのではないかと思いますが、BD世代になってからディスクに再生回数xxxxx回を保証とか書かれていることがあります。その理由は、再生光劣化が発生する可能性があるからです。特に色素系ディスクでは、当初、この問題をクリアするために結構苦労したようで、高速化のときにも業界の集まりで笑い話にしかならないような質問があったようです。いわく「そのディスクは、どのぐらいの回数の再生ができますか」と。

BDXLの記録ディスクは、無機膜だと思いますが、無機膜は、基本、熱に反応します。記録層が増加しているということは、L0層の再生出力もそれだけ高くなっていると思いますので、記録しやすくするために下手に反応速度をあげると、再生光劣化がでてもおかしくありません。また、記録時にも記録中以外の層にも熱が伝わりますので、それによって、クロスライトやクロスイレースなどの問題が発生する可能性も高くなります。

個人的には、BDXLを使用することはほとんどないと思いますが、長期保存等を考えるのであれば、シングルレイヤーの無機膜の従来ディスクを使用するのが個人的にはよいと思います。
ネタ的にいえば、どこかの安価にディスクを製造するメーカーが、再生光劣化を起こすようなディスクを安価に市場投入すると多少は盛り上がるかもしれませんが・・・。

1 件のコメント:

  1. もう買っちまったよ
    BDXLヤマダ電機で予約したら17日もかかったよ来るのに
    今から取りいってくるからよぉー
    そんな俺の気持ちをブルーにするような民主的じゃない難しい説明とかすんなよ~な

    パオーン♪

    返信削除