2010年4月5日月曜日

SSDコントローラメーカーの課題

多くの方がご存知のように、SSDを構成する主要パーツは、「NANDメモリ」と「コントローラ」です(ほかにも外部メモリを搭載することが一般的ですが、外部メモリは無くても設計できるのでここでは省かせていただきました)。なかでもコントローラは、SSDの性能を決める部分でもあるので重要です。今回は、SSDコントローラを設計しているメーカーならではの課題について書きたいと思います。

まず、現在のSSDですが、大きく3つに大別できます。
最初が、NANDメモリとコントローラの両方の開発設計、製造を手がけているメーカー。つまり、自社でSSDを完全開発できるメーカーです。代表的なメー カーとしては、SAMSUNGや東芝が挙げられます。Intelもそうじゃないかという声が聞こえてきそうですが、Intelのコントローラは、 Marvelが開発したものという話を業界関係者から昔からよく聴くので敢えて省かせていただきます。(本当かどうかは僕が裏をとったわけではありませ ん。あくまでそういう話をよく聴くという話です)

次が、NANDメモリまたはコントローラのみの開発を手がけているメーカーです。この形態のメーカーは、基本的に裏方に徹しており、自社でSSDを製造販売しているところは現時点では少ないと思います。代表的なメーカーと しては、JmicronやIndilinx、PHISON、INITIO、Sandforce、MarvelなどのコントローラメーカーとMicronなどのNANDメモリメーカーです。

最後が、NANDメモリやコントローラを買ってきて、SSDを製造販売 しているメーカーです。SSDは、通常、コントローラメーカーが基盤のリファレンスデザインとファームウェアを提供しています。このため、この形態のメー カーは、多数存在しています。国内の有名どころでは、OCZやバッファロー、PhotoFastというところです。

前述したコントローラメーカー課題とは、すばり、NANDメモリへの対応です。
あまり多くは、語られていませんが、現在のSSD向けコントローラは、すべてのNANDメモリに対応出来ているわけではありません。例えば、昨年人気になったIndilinxのBarefootの初期リビジョンは、SAMSUNGのNANDメモリの専用品のようなものです。現在は、Intel等にも対応し対応NANDメモリの種類を増やし、NANDメモリのマルチベンダー化を進めていますが、完全ではありません。

また、東芝のコントローラは、いうまでもなく東芝製NANDメモリに最適化されており、他社製のNANDメモリへの対応は、基本的に行われていないはずです(外販の予定もないので当然だと思います)。SAMSUNGも同様だと思います。また、僕の想像ですが、おそらく、現状のMarvel製コントローラもIntel/Micronにあわせて設計されていると思います。(今後は、分かりません)
現状もっともNANDメモリのマルチベンダー化が進んでいるのは、Jmicronかもしれません。Jmicronは、当初SAMSUNG製のNANDメモリを採用していることが多かったのですが、現在では、東芝やIntelも使われるようになっています。

NANDメモリは、各社で仕様が異なっているので個別対応が必要です。NANDメモリのマルチベンダー化は、いうまでもなく、開発の負担が増えます。しかし、コントローラやNANDメモリを購入し、SSDを開発販売しているメーカーは、NANDメモリのマルチベンダー化を望んでいます。これは、使えるNANDメモリの種類が増えることでより安価なNANDメモリを選択できる可能性が出てくるからです。

コントローラメーカーは、より多くのメーカーに採用してもらうためにもNANDメモリのマルチベンダー化は、事実上必須と言えるでしょう。しかし、どこまでサポートすれば良いのかという点には難し判断が残ります。というのも、開発負担が増えるので、コントローラメーカーは、できるだけ対応NANDメモリの種類を増やしたくありません。しかし、NANDメモリは、微細化が進むごとに新たな対応が必要です。NANDメモリは、微細が進むことでエラーが増えるためより強力なエラー訂正を行う必要がでるからです。

このため、コントローラメーカーは、最新のNANDメモリがでるごとに新たな対応が必要になります。今の段階で、少なくとも40nm世代と30nm世代の対応が必要です。Intelは、すでに20nm世代を準備していますので、下手をすると3世代の対応が必要となるかもしれません。これを複数のNANDメモリベンダーでやろうとするとかなりの大変だということが想像できます。NANDメモリの種類をどこまでサポートするのか、コントローラメーカーは、これから悩まなければなりません。

また、NANDメモリ自体の速度もメーカー間で差があります。NANDメモリのマルチベンダー化が進んだコントローラでは、どのメーカーのNANDメモリが搭載されているかで売れ行きが変わったりすることもでてくるかもしれません。

2 件のコメント:

  1. 以前どこか海外のサイトで見かけた内部文書らしきドキュメントでは
    IntelのコントローラはARMが使われているブロックダイアグラムだったので
    XScaleをMarvellに売却したことと何か関連があるのかもしれませんね。
    ストレージ関連については一応Intel側に残ってるはずなんですが。
    実際どうなのか分かりませんが、完全に内製ではないとしたら興味深い話ですね。

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  2. 少なくともファームは、Intelがやっていると思いますが、コントローラは、実際どうなんでしょうね。
    ただ、協業の可能性は十分あると思います。基本的な開発はMarvelですが、Intelがかなりの部分の技術協力を行ったという可能性です。

    知らない方も多いと思いますが、Marvelは、BDのコントローラも開発してましたが、Marvel製のBDコントローラってみたことありません。BDコントローラは、たぶん、Marvel単独ではできないと思いますので、どこかと協業していたはずです。このコントローラが、出荷されているのであれば、協業メーカー先のブランドになっているのではないかと勝手に想像しています。

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